「新しい時代は、そのときの人が考えて、その時代に合ったことをしないといけない。」井深さんの言葉がいまさらながら心に響く。 井深さんが発案し、盛田さんが土台を作り、大賀さんが完成したソニーのグローバリゼーションは、信長、秀吉、家康が成し遂げた天下統一に似ています。そこに明治維新を持ち込んだのは出井伸之さんです。第二創業ということで、それこそ21世紀の世界競争に勝てる会社を作ろうとしたわけです。 出井さんの構想は部分的に成功しました。現在の日本の大手電気会社で、ソニーほど世界競争に勝てる体制を持っている会社はないでしょう。体制はよいですが、実行面はどうでしょうか。出井さんの構想は、ソニーが発展していくためには日本が足を引っ張ってはいけない、ということに尽きます。 日本で、いままでのようにモノを作っていたのでは、必ず没落する。日本の大型電子産業は恐竜であり、隕石はすでに落ちたのだという、もう10