いまやビジネスを成功させるには、クラウドサーバーに蓄積された大規模情報といった「ビッグデータ」の活用が欠かせません。このビッグデータの分析に最適なのが「ベイズ統計」です。なぜか? ここではそのワケを『図解・ベイズ統計「超」入門』の著者・涌井貞美が解説します。 日本において、高校生や大学生に教える入門的な統計学は、一般的に「頻度論」と呼ばれている従来の統計学です。「有意水準5%で検定せよ」「信頼度95%のときの信頼区間を求めよ」といった独特の表現を用いる統計学です。 この従来の統計学は、農業データを分析するために生まれました。「どんな肥料がなにに効くか?」「どんな環境が飼育に適しているか?」などに応えるための統計学です。従来の統計学は、対象となる個々のデータが「個性をもたない」ことを望まれる条件としています。たとえば、麦の栽培テストをするとき、もしその麦の種が個性豊かだったら良いデータを得ら