政府は知らなさすぎる 著者は産経新聞那覇支局長。報道する側の「報道されない沖縄」とは何か。著者が普天間基地の移転候補地である辺野古(へのこ)に赴いたときのこと。住民に取材を申し出ると怪訝(けげん)な顔をされた。「新聞記者が取材に来るのはあなたが初めてだ」と言う。「街にはいろいろな新聞社やテレビ局が来るが、みんな反対派が集まっているテント村にだけ行って、我々の声を聞こうとしない。最初から反対ありきだ」とも。 基地をめぐる沖縄の声は複雑で多様だ。辺野古には既にキャンプ・シュワブがあり、住民は基地と共存している。基地は県民の生活の一部となり、経済も依存している。復帰以来40年間に費やされた沖縄振興策予算は基地関連を入れると10兆円を超える。基地を容認する声も多い。 しかし、「報道される沖縄」は常に「反基地」のステレオタイプ。そこには地元メディアとともに沖縄県教職員組合の存在がある。当初、県内の教