子宮頸(けい)がんの原因となるウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン」の有効性と安全性をめぐる評価や、接種の積極的勧奨を再開すべきかどうかは、専門家の間でも様々な意見があります。4人の専門家に聞きました。 別府宏圀・薬害オンブズパースン会議副代表 HPVワクチンの接種後に、様々な症状に苦しむ人たちがいます。ワクチンの有効性を評価する声がある一方、安全性を懸念する声もあります。長年、医薬品情報誌の国際連絡組織の活動に携わるなど、医師の立場から薬の安全性について問題提起を続ける、神経内科医で薬害オンブズパースン会議副代表の別府宏圀さんに、HPVワクチンの問題について聞きました。 ワクチンの安全性に懸念 このワクチンは2010年11月から、定期接種されるのに先だって、公費負担で接種が始まりました。その後、重篤な有害事象の報告数が急増しました。長く使われてきたワクチンに比べ