東北三大霊場として知られる信仰の島が、不法投棄されたごみに侵されていた。宮城県石巻市の金華山黄金山神社の宮司ら3人が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕された12日、地元には衝撃と動揺が広がった。東日本大震災からの観光復興の要となる場所で起きた不祥事に、関係者は「イメージダウンが心配」と不安を募らせる。 同市鮎川浜で民宿を経営する熱海孝広さん(38)は「不法投棄には気が付かなかった」と驚く。夏は金華山への参拝客が宿泊客の約8割を占め、「客足が遠のくと経営が厳しくなる」と浮かない表情だった。 金華山は青森県の恐山、山形県の出羽三山と並ぶ三大霊場に数えられ「3年続けて参拝すると、お金に一生困らない」との言い伝えがある。市牡鹿総合支所地域振興課の及川伸悦課長は「荘厳な金華山のイメージと真逆の事件。参拝へのイメージは悪い」と危惧する。