放射線も抗がん剤もやり尽くし、「もう治療法はない」と言われても、諦めるのは早い。医療の進歩により、末期がんでも治癒の可能性が見えつつある。いま注目されているのが、このワクチン療法だ。 難治性すい臓がんが消えた 「今思えば、妊娠中から腰が痛くて寝ていることが多かったんです。でも初産だったので全部妊娠の影響だろうと自分も家族も疑っていなかった。がんだと告げられたとき、私、死ぬんだなと思いました」 神奈川に住む井上洋子さん(仮名)は、33歳で長女を出産した。産後の経過が悪く、腰の激痛に耐え兼ねて出産3ヵ月後に病院へ行くと、腹部に14cmもの大きな腫瘍が見つかった。15時間もかかる大手術ですべて切除できたが、「巨細胞がん」という特殊なタイプの進行すい臓がんだった。術後わずか3ヵ月で肝臓に再発。手術の傷もまだ癒えない状態で組まれた抗がん剤治療は、副作用が強く2回で中止に。抗がん剤はまったく効かず、肝
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