太平洋戦争末期、旧日本軍が開発した特攻兵器「桜花」の設計図面や実験データなど未公開資料約30点を含む77点が26日、桜花の部隊があった大分県宇佐市で公開された。設計者の三木忠直氏(1909~2005)は戦後「二度と戦争に加担しない」とその知識を新幹線車両の開発などに注いだ。遺族が「自責の念に駆られ、苦悩していた三木の実像を知ってほしい」と資料を提供した。 【写真】設計者の三木忠直氏 桜花は単座で全長6メートル、総重量2トン。エンジンはなく、1・2トンの爆弾を機首に装填(そうてん)し、高度3千メートルで母機から切り離された後、ロケット噴射によって時速600キロ以上で搭乗員もろとも艦船に突入する特攻兵器。着陸装置はなく、いったん出撃すれば生還は不可能で「人間爆弾」とも呼ばれた。部隊は宇佐海軍航空隊に1945年2月から終戦まであった。 三木氏は香川県出身。旧東京帝大を卒業後、旧海軍の技術士官とな