江戸時代のキリシタン弾圧をテーマにした代表作「沈黙」で知られる作家、遠藤周作の未発表だった小説が長崎市で見つかりました。 これは、長崎市の遠藤周作文学館が記者会見をして明らかにしました。それによりますと、小説は「影に対して」というタイトルで、遠藤家から文学館に寄託されたおよそ3万1000点の資料の中から見つかりました。 本人による草稿2枚と、秘書による清書原稿104枚があり、使用されている原稿用紙から、今から57年前の昭和38年3月以降に執筆されたとみられるということです。 作品は、小説家を目指していたものの結婚後に安定した生活を求めるようになった主人公が、父と離婚し音楽家として生きようとした母の人生を探りながら、人の臆病さや弱さについて考える内容だということです。 遠藤周作と主人公の経歴が重なるところがあるなど、自伝的な性格を持つ小説で、母からどのような影響を受けたかなど、遠藤の人生観を