耕作地に火を起こす農夫(11月・富士吉田市) Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg 国際金融市場で巨大ファンドと見られていた農林中央金庫が、投資対象の重点を国内の農業関連融資や企業への貸し出しに移しつつある。背景にあるのは、変革期にある農林水産業を支えるという「原点回帰」の姿勢だ。 農林中金はかつて、格付けの低い企業への融資を束ねて証券化したローン担保証券(CLO)の保有規模の大きさから「CLO市場のクジラ」と呼ばれていた。米金融当局が利上げ開始に向けて動く中、金利上昇への耐性が強い側面を持つCLOの販売は加速しているが、農林中金は現時点では積極的にポジションを積み増すことは検討していない。