続く悲劇アフリカ難民を満載した密航船が地中海で転覆し、800人以上の死者が出た事故にあわてたEU(欧州連合)は、先月23日に緊急首脳会議を開いて、イタリ ア沖でEUが実施している難民や移民の捜索、救援活動の予算を3倍に増額して年間約1億ユーロ(約130億円)にすると決めた。 地中海には貧困や圧政を逃れてヨーロッパに移住しようとするアラブ人やアフリカ人が押し寄せる。彼らが目指すのは主にイタリアである。アフリカに近いイタ リア最南端のランペドゥーサ島には、そうした難民が恒常的に流れ着く。今年は4月までに既に2万5千人以上人が上陸した。 また2002年から昨年2014年までの間に、イタリアに漂着した地中海難民は合計約46万人。これらの難民の全てがイタリアに留まるのではないが、 彼らの救助と保護、また行き先が決まるまでの間の全ての面倒を見るイタリアの財政的負担は大きく、月々平均7億円弱が費やされて