スッキリ、楽しく、読みやすい――。 そんな風に文章をスラスラ書けたら、どれだけ嬉しいだろう? ちょうど20年前、出版業界へ足を踏み入れたオレは毎日そのことばかりを考え、そして入社2年目の終盤に差し掛かったころ、ある絶望的な欠陥に気が付いた。 オレ、文才、ない……( ;∀;) 寝る間を惜しんで文脈考え、表現に工夫を凝らしてみても、いざ上司(編集長)の原稿チェックを受けるや、紙が真っ赤になるまで赤字が入れられる。 あまりに修正が多くて余白スペースがなくなり、用紙の裏面に及ぶほどだ。その恥ずかしさたるや……。 プライドはへし折られ、半ばノイローゼになりつつ、文字と格闘すること更に2年。 キッカケは、他愛のない思いつきだった。 『もう……上手に書こうとするのはやめて、ダメなところを集中して直してみようかな……』 当時、原稿を書く上で、オレが上司から言われていた決まりごとは ◆言葉のダブリを避けろ