ケルト世界とアイルランドにおける犬について、そして英雄クー・フランについて――考古学と伝承、神話学の点から 今年は戌年ですね! もう春なのに何言ってんだと思われるかもしれませんが、今度は本当に戌年です。なぜ新年最初のノートでこれを書かなかったのか、自分でもわかりません。 ケルト神話で犬といえば言わずもがな、あのお方です。彼に限らず、ケルト世界において犬は重要な動物です。今回はケルト世界の犬について、考古学、伝承、そして神話学の見地からも少々、お話ししたいと思います。 1.考古学から見るケルト世界の犬現代日本では、犬といったらもっぱらペットですが、古来より犬は人類の友として、生活に役立って来ました。 それはケルト人にとっても同様で、特に狩猟犬としての用途で名高かったようです。紀元前1世紀に生まれたギリシアの著述家ストラボンによれば、ローマ支配以前のブリテン島からは狩猟犬がローマに輸出されてい
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