疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。そのためによその家族と一緒に近場の温泉に行くのは二年ぶりである。 わたしには子がおらず、子どもの相手をするのはわりに好きだ。友人には子が三人いて、上から六歳、四歳、二歳である。友人の配偶者は子育てをしない。それで子連れの小旅行に出るときにはわたしとわたしのパートナーが一緒に行く。 温泉に入る。友人の真ん中の子は男の子なのでわたしのパートナーが男湯に連れていく。あとは女湯に行く。友人は二歳の子の面倒を見、わたしはわりと手のかからない六歳の相手をする。二年見ないうちにとても大きくなったし、言葉遣いなんかもだいぶしっかりした。お湯の準備をこまごまとして、「よし」というふうにうなずく。そしてわたしを見上げてはっと固まる。 どうしたのと訊くと小さい声で「ユカリさんは……女の子だ」と言った。わたしは服を脱いでおり、子どもの視線はわた
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