かつて養蚕が盛んだった 南信州に位置する伊那谷では 非常に多くの猫さまが飼われていました。 なぜ猫さまが多かったのか? それは伊那谷と養蚕と猫さまには切っても切れない 深い関係があるからなんです。 日本では養蚕業の天敵であるネズミから お蚕様を守るために 長らく猫さまと共存してきました。 養蚕が盛んだった伊那谷では 特に多くの猫さまが飼われていたと言われています。 養蚕の発展とともに猫さまは神と崇められ、 伊那谷では 各地に「養蚕の守護神・猫神様」が点在しています。 また現代ではペットとして愛されている猫さまですが、 かつては養蚕の発展のため 有り難い労働力でもありました。 こんな記録が残っています。 「鼠の蚕にかかる防として猫を殊に選ぶことなり 上品にかかるところには猫の価金五両位にして、 馬の価は一両位なり」 (松浦静山『甲子夜話2』中村幸彦・中野三敏校訂、平凡社東洋文庫) 猫さまが馬