和歌山県すさみ町の世界遺産に登録されている熊野古道「長井坂」付近で、JR西日本のグループ会社が、機材などを運ぶ小型モノレール「モノラック」を敷設し、その際に古道沿いにある石垣を4.5メートルにわたって壊し、立ち木8本を伐採した。熊野古道は、現状を変更する場合、国や町の許可が必要だが、無届けだった。JR西日本和歌山支社の辻子義則支社長が9日、同町を訪れ謝罪した。 同町などによると、この石垣はイノシシや鹿などの侵入を防ぐ「猪垣(ししがき)」(高さ約0.5メートル、幅0.8〜1メートル、長さ約100メートル)で、江戸時代以前に造られたとされる。 地元住民から「熊野古道にレールが敷設されている」などという内容の連絡が6日に同町にあり、町職員が確認したところ、古道を横切るようにレールが敷かれているのを見つけたという。猪垣も一部で壊されていた。 同支社は、JR紀勢線の防護ネットを設置する工事で、