そして何よりも、レントゲン検査には大きな利権が隠されているのだ。胃がん検診にレントゲン検査を推奨している国立がん研究センターは厚生労働省から支給されている科学研究費の一部を業者に預け、裏金をつくっていたことが発覚している。 がん研は、検診業者と癒着しているのだ。胃部レントゲン検査に用いる「二重造影法」という技術は、日本が独自に開発したもので、それに過大な誇りを抱いていることも固執する原因となっている。 さらに、検診車やX線装置などの設備には多大な費用がかかり、レントゲン技師や検診業者、バリウムを製造する製薬会社、フィルム等のメーカーなど、極めて多くの既得権益が絡んでいる。今や時代遅れのレントゲン検査だからといって、いきなり廃止することはできないのだ。 がんをはじめとする胃の病気の発見に関しては、レントゲンよりも胃カメラのほうがはるかに優れた効果を持つ。がん発見率は3倍以上ともいわれる。病変