よく人間は、頭の中にある意識が、自由自在に体を動かしていると、勘違いすることがある。 現実はどうだろう。 ぜんまいか何かでギコギコ動いている人型が、得体も知れないモノ、おそらく魂と呼ばれているモノを引きずっている、そんなところではないか。 人型が前に歩くたびに、その糸を引いているようなモノは、ちょっとづつ磨り減っていく。 ◇ 結局のところ、結果しか評価できない、という人がいる。あなたが実らせたおいしそうなその実を、捥いで剥いておいしくいただきたいのよ、ということである。 失敗に学べという。負けて失って蹲っているその様を見て、底は通らないようにうまくよけて、私は勝組になりましょう、ということである。 ◇ 他人はいつも、人型のほうを見ている。実は本人も、人型のほうだけを見ていることがある。人型がギコギコ動いているのを見たいがために、イッパイイッパイぜんまいを巻いている。ぜんまいを力強く巻こうと