フランス人観光客の肩の下に砂を押し込む井村さん。簡単なあいさつを交わしながら笑顔で仕事を進める=大分県別府市上人ケ浜町の別府海浜砂湯で、祝部幹雄撮影 湯のまち、大分県別府市の砂湯で観光客に砂を掛け続けて14年。独自の技術で「砂掛けさん」として観光客を楽しませてきた井村節子さん(63)が22日、市内の市営温泉などを管理する市綜合振興センターの初代「砂掛けマイスター」に認定された。 温泉で熱した砂を体に掛けて温めるのが砂湯。同センターが管理する砂湯は市内に2カ所あり、井村さんはそのうちの一つ「別府海浜砂湯」で働く。砂掛け担当職員は井村さんの他12人いるが、接客や後継者育成などをまとめたレポートと実技試験で井村さんが「初代」に選ばれた。 井村さんは別府市の短大を卒業後、横浜市で幼稚園教諭に。95年、甲状腺の病気治療のため別府市に戻った。甲状腺摘出の影響で一時は声も出ないほど。「しゃべる訓練につな