他人を冷めた目で見ていた理由 ――ネットでは、斜に構えている人が目につきます。多くのネットユーザーにも心当たりがあるからこそ、若林さんの言葉がたくさんの人に響くんじゃないでしょうか? そう問いかけると、あの少年のような表情で苦笑いしながら「これはね、本当に大きな問題だと思います」と、冒頭のように語った。そして、社会へのささやかな違和感を、こんなふうに述べはじめた。 「戦後ずっと、日本人って豊かな生活を目指して生きてきたと思うんです。でも、バブルが弾けてから、ずっと何を信じていいか分からない、人生のベースがない状態が続いてきた。 それで、ベースがないまま、誰が正しい、何が正しいってマウンティングが盛り上がっちゃった。信仰心も薄い国で、考えの芯になるものが未だにないから、生きていていつも大変だと思うんですよ。自分の意志だけを信じて生きていくって、まぁ難しいですからね。 芯となるものはこれだと提