「報酬支払いを元陣営幹部から提案されたとき、あまりに多額だと感じ、中止させようと考えた。自分では了承したつもりはない」。平成26年2月の東京都知事選に出馬した際、選挙運動員に報酬として現金を配ったとして、公職選挙法違反(運動員買収)罪に問われた元航空幕僚長、田母神(たもがみ)俊雄被告(68)は、17日の公判で行われた被告人質問で、改めて無罪を主張した。この日は弁護側からの質問のみを実施。検察側の質問は次回に行われる。 「違法と知らず」 被告人質問で田母神被告の口から明らかになったのは、田母神被告の理念に賛同する支援者が寄付した浄財である政治資金を、田母神被告陣営側が私物のように扱っていた実態だ。さらに、最大の争点である「田母神被告は報酬の支払いを了承したのか」という点をめぐり、了承を否定している田母神被告自身が、了承していたと認めたとも取れる発言をし、傍聴人が首をかしげる場面も。航空自衛隊