「ただいま列車は時速210キロメートルで運行しています」――。10時ちょうどに新函館北斗を出発した車両は、木古内に向けてグングンとスピードを上げた。 1月28日に開催された、北海道新幹線の試乗会。本来なら時速260キロメートル運転のはずだが、雪のために速度が制限された。50年も前に東海道新幹線が達成した速度だ。初の試乗会という晴れ舞台にしては物足りないが、安全のためであれば仕方ない。“北の大地”で初めて経験する高速走行に、車内から歓声が上がった。 列車はわずか13分で木古内に到着。車内整備の後、乗客を乗せ、再び新函館北斗に向かって走り出した。トンネルを6つ抜けると、右側の車窓の遠くに、牛が寝そべったような函館山の姿が見えた。ただ、在来線と違って、新幹線は函館山に近づくことなく、間もなく周囲の山並みに埋もれてしまった。 新函館北斗駅は、函館駅から18キロメートル離れた内陸部にある。函館市内に
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