客席から見ていた人というのは、自分にとって不思議な距離感がある。向こうは自分のことなど知るよしもないのに、自然と親近感が芽生えたりして、いつのまにか身内のような感覚にもなる。 ただ、実際の身内が亡くなるのとは感覚もやはり異なり、じかに会ったことなど一度もないのに、もう会えなくなるといういいようのない寂しさが襲ってくるものである。僕にとってのその一人、メタルダンスユニット・BABYMETALでギターを奏でていたミュージシャン・藤岡幹大が亡くなった。 享年は36歳と、その数字だけを見ても永遠の記憶となったのは切ない。報道によれば、昨年12月30日の天体観測中に高所から落下、家族に見守られながら療養を続けていたものの、容態が急変し1月5日に息を引き取ったという。 仮BAND『仮音源 -Demo-』 スタジオミュージシャンやギター講師としても活躍していた藤岡であるが、近年は同じく神バンドのメンバー