(上)志と事業両立 若者の使命感 貧困、ニート支援 新たな視点 貧困やニートなどの社会問題の解決を、ビジネスを通じて図ろうとする若者たちの動きが目立ってきた。「社会起業家」と呼ばれる人たちだ。利益一辺倒の会社でもなく、利益を度外視したボランティアでもなく……。使命感に燃えて働く彼らの姿を追った。(大津和夫、写真も) 最後の選択肢 「途上国発のブランドをつくる」――。2006年にバッグや小物の販売会社「マザーハウス」(東京)を設立した山口絵理子さん(26)は、会社案内に自分の夢を書いた。商品の素材はバングラデシュ特産のジュート(黄麻)。ユニークさやデザインが好評を博し、事業は拡大傾向だ。山口さんは「私たちは援助団体ではない。ビジネスとして軌道にのせることで、途上国を支えたい」と意気込む。 山口さんは大学卒業後の04年、「途上国の現状を知りたい」とバングラデシュの大学院に留学した。数え切れない