【神奈川】希望すれば夫婦で別々の姓を名乗れる「選択的夫婦別姓制度」の実現のため、川崎市の市民グループが市議会での意見書可決をめざしている。選択が認められないことでどのような不利益を被るのか知られていない――。改姓や旧姓使用に関する困りごとやトラブルを募り、まずは現状を知ってもらおうとしている。 「結局あなたの名前は何なの」。会の呼びかけ人で川崎市幸区のデザイナー、岡田恵利子さん(39)はおととし、留学先のデンマークで突きつけられたこの一言が忘れられない。 日本では旧姓で仕事を続けてきた岡田さん。ただ、ビザや現地での住民登録は戸籍名でないと申請できなかった。学内では旧姓を使いたいと大学側に申し入れたが、結婚時に姓を選択できるデンマークでは旧姓を通称として使用する習慣がなく、ピンとこない様子。日本では制度上、夫婦別姓が認められていないことを説明し、何とか受け入れられた。 「娘が改姓で不利益を被