甘く、柔らかい音が唯一無二な魅力の金管楽器、ホルン。 この楽器、指導時に絶対言ってはいけない禁句がある。 それは「音を外すな」である。 それくらいホルンは、音が外れやすい楽器として世界的に有名なのだ。 それも「プルッ」という耳障りな音とともに、全音とか半音とか平気で外す。しかもしょっちゅう外す。 これは学校の吹奏楽部出身のアマチュアだけでなく、プロでさえ高頻度で外すため、純粋なクラシックのCDなど、OKテイクの継ぎ接ぎで作られるのが当たり前。 生演奏でホルンソロとか来た日には、他の演奏者はもちろん指揮者も観客も、揃って「外すなよ…」と神仏に祈ることになる。 というか「祈らせる」という意味では神父や坊さん以上に「良い仕事」してるので、これには神様も仏様もニッコリ?知らんけど。 ついには「世界一難しい金管楽器」としてギネス登録され、更にホルンで音を外すこと=「キークス」という名詞が用意されてし