最後になったが、PostgreSQL 8.0に最も期待されていた機能、「PITR (Point In Time Recovery)」を試してみよう。PITRは、簡単に言うと、データベースのデータを過去の任意の時点に戻せる機能だ。従来はディスククラッシュなどで万一データが壊れてしまった場合、最新のバックアップの時点に復旧するぐらいしか対応手段がなく、バックアップ完了後、障害発生までの更新は消失してしまう危険性があった。しかしPITRが実装されたことにより、例えば誤ってテーブルのデータを全件削除してしまった場合でも、削除を実行する直前の状態にデータを戻せるようになる。管理者の精神的な負担は大きく軽減されるだろう。 PITRの具体的な仕組みはいたって単純で、PostgreSQLの特徴的な機能である「WAL (Write-Ahead Logging)」を活用して行われる。WALでは、更新クエリの発