JR新宿駅東口の駅ビル地下の名物カフェ「ベルク」の三月末までの立ち退き期限が迫っている。一九七〇年代の新宿の雰囲気を残す小さなカフェ。営業継続を願うファンの署名は約一万二千人分も集まり、ビル側に提出された。果たしてその声は届くのか−。 (比護正史) 七〇年創業のベルクは、駅ビル「ルミネエスト」の地下一階にある。十五坪ほどの広さ。二百種類近いメニューがあり、一日約千五百人が訪れる。壁には月替わりで開催している写真展の作品やビラが飾られ、雑然とした雰囲気が漂う。 店主の井野朋也さん(48)によると、二〇〇七年二月、駅ビルを運営するルミネ(渋谷区)から、二年の期限付きの「定期契約」に変更するよう求められた。断ると今度は立ち退きを迫られた。ビル側は当初は、「ファッションビル化」を理由に挙げていたという。 昨年九月、今年三月末までに立ち退かない場合は、賃料を一・五倍に引き上げるとの通達が届いた。 立