iPS細胞(人工多能性幹細胞)の臨床応用を行ったと森口尚史(ひさし)氏(48)が主張し、一部メディアが報道した問題で、東京医科歯科大は18日、調査委員会を開き、森口氏の恩師で、19本の共著論文がある佐藤千史・同大教授の関与について「データの検証もせずに論文に名を連ねるのは、研究者にあるまじき行為」として、佐藤教授を処分する方針を決めた。 具体的な処分は、懲戒委員会を開いて決める。 調査委員長の森田育男・教育担当理事によると、佐藤教授は、共著の論文について、専門外のテーマなのに、論理的な矛盾がないか判断しただけで、データの検証はしていなかったという。同委員会は「こうした行為は軽率で、本学の名誉を著しく損ねた」と判断した。 今回のiPSの臨床応用を発表する予定だった国際会議の抄録案にも、佐藤教授は名を連ねていた。 関連リンク森口氏、東大の聴取にも主張変えず 「iPS臨床応用」(10/16