この展覧会は僕がいままで20年あまりにわたって、手を替え品を替え取材してきたニッポンという国を包括的に見直す、はじめての企画です。 本展は広島市現代美術館という空間を借りた、いわば一冊の立体的な書籍としてつくられました。広い会場を一冊の本として、各部屋をひとつひとつの章として、ひとつの壁を1ページとして。 展示される作品には、それぞれ数百字から千字以上になるテキストが添えられ、しかも写真や立体制作物を鑑賞するのと同じ位置で読めるよう、通常の展覧会の感覚からすれば非常識なほど大きな文字組みで、壁のいたるところに貼りつけられています。