肝臓は「沈黙の臓器」と言われます。食べ物が直接通過する臓器ではないこと、再生能力が高いこと、病気にかかっても症状があらわれにくいことから、こう呼ばれるようです。 ところが、2010年に厚生労働省が出した「人口動態統計」によると、年間3万人前後が肝臓がんで死亡しています。これはがんによる死亡者数でみると、肺がん、胃がん、大腸がんに次ぐ多さです。 実は、肝臓がんはもともと肝臓に慢性の病気(慢性肝疾患、主に慢性肝炎)を抱えている人がかかりやすい特徴があります。よく「たばこを吸う人は肺がんに なりやすいから」と、禁煙を勧められますね。同じように、肝臓がんと慢性肝疾患は強い因果関係があります。肝臓がんの予防のためには、肝臓の病気を早くみ つけて治療することが重要です。 肝臓の病気とは では肝臓の病気とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。 お酒が肝臓を悪くするのは有名ですね。外来診療でも、お酒好