都内の大手広告代理店、丸々通信。 不況下も業績トップなのは、徹底した業績主義、効率主義を掲げているせいと言われているが、 なんとこのほど、それとは真逆をゆく人物が部長に就任した。 その人物とは、木下幸之助。 遅刻、早退の常習犯。 “その日、その時の気分”で生きている男。 とにかく何を考えているのか分からない男。 仕事上で関わると、真面目に仕事をしている社員がトンデモない 目にあわされる、との噂が。 木下が何故部長になり、部を持つようになったのか、社員たちには謎だった。 木下部に配属になってしまった部員達は、社内中から気の毒がられていた。 会社人生が終わることは決定的だったからだ。うなだれている木下部の面々。 意気揚々と自分の未来に期待を膨らませていた新入社員・僕元公司も例外ではなかった。 「もし、もしほんとうにやばかったら、辞めよう!」 と思いながら、恐る恐る木下部長に挨拶するボクモト。