音楽魂(8)街も「熱狂の日」 今年のゴールデンウイーク、金沢はクラシックに染まる。まもなく始まる世界的な音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」に気持ちは高鳴る。(多可政史) 音楽祭のプランニングマネジャー兼政隆志(43)は今年2月、発祥の地フランスのナント市を訪れた。人口28万人、ロワール川河畔の小さな港町は、世界各地から音楽ファンが集まり「熱狂の日」に熱くなる。昨年は12万枚のチケットを販売、1800人のアーティストが集まった。視察をした街の冷たい海風が、心地良く感じるほど、体はほてっていた。新緑の金沢で展開される様子が頭の中を駆けめぐった。 県文化振興課の職員で県立音楽堂の管理運営に携わった経験を買われ、イベント運営の仕事を一手に任された。海外の出演者のスケジュール調整やチケット販売。5か月しかない準備期間に、課題は荒れ狂う波のように押し寄せた。それでも「金沢を世界に発信する大