「減塩=正義」。この数十年にわたってこの説は揺るがないように見えた。しかし、実は減塩が逆の効果を生むとしたら――最新の研究から分かった「知らないと寿命が縮む」新常識をご紹介しよう。 減塩で心臓病も増える 「いま、世界の研究の現場で、減塩しすぎることのリスクに注目が集まっています。 きっかけは、'13年にアメリカ医学研究所(IOM)が出したレポート。それまでは、食塩を制限することによって血圧が下がることから、減塩は有益だと考えられてきましたが、それが実際に疾患予防につながっていくか否かについては、詳しく調べられてこなかった。『塩分を減らすことは体に良い』という考えだけが独り歩きしていたのです。 しかしこのレポートは、『塩分を減らす=病気を減らす』と言い切るにはエビデンス(証拠)が足りないのではないかと疑問を提起して波紋を呼びました。これを契機に、減塩の問題についての研究が続出するようになった