2020年は海底探査のアニバーサリーイヤーだ。世界最古の潜水艇が作られてから400年が経過し、海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」が運用開始30周年を迎える。文学でも150年前にジュール・ヴェルヌのSF冒険小説『海底二万里』が発表され、多くの人が海底への夢を膨らませた。現在は、海底地図の作製や海洋プラスチック問題などで、さまざまな海底探査を利用した研究が進んでいる。海底探査の最新研究を追った。(飯田真美子) 資源・環境基盤技術確立 日本の近海は水深7000メートル以上の深い海が多い世界的にもまれな地域であり、海洋機構だけでもさまざまな海底探査船を所有している。 地球深部探査船「ちきゅう」は、約1万メートルの長さのドリルを海上から下ろし、海底を掘削して地球内部を調査する。「おとひめ」や「じんべい」などに代表される無人の深海探査機は3000メートルまで潜水可能で、母船から遠隔で