目次 関孝和、突然の登場の謎 関の追究した一般論とは 建部賢弘と、関の数学の不継承 もしも… 新全集でやり残したこと おススメの予習本 裾野を広げたい >>前編はこちら 関孝和、突然の登場の謎 上野 『塵劫記』最後の版で、吉田(よしだ)光由(みつよし)が答えを書かない問題を出したんです。そこから「遺題継承」というのが始まった。それはある種の他流試合みたいな感じなんです。イタリアの場合は直接対決でしたが、遺題継承は本を通した、もっと穏やかな対決。 橋本 たとえば郵便将棋のような。 上野 そうやってみんな数学を一生懸命勉強するわけだけれども、多分そのときに『算学啓蒙』という本が日本に入ってきている。おそらく朝鮮経由のもので、もしかすると中国から直接お坊さんが持ってきた可能性もある。それを勉強して天元術を理解できるようになったのが沢口(さわぐち)一之(かずゆき)だとされている。本当に独力で理解で