「地球の歩き方」が提供する掲示板。会員同士が旅行に関する質問・回答・旅仲間募集をするコーナーです。
米国東海岸にいるNから欧州出張のおみやげが郵便で届いた。先日書いた「悠々として急げ」と題した文章を読んでくれ、「面白がるだろう紙切れを見つけたので送る」という連絡を電子メールでもらっていた。何だろうと思いつつ、欧州でNと僕との接点と言えば、パリしかないはずで、それも条件反射のようにセーヌ川左岸の学生街、カルチェ・ラタンの風景がすっと立ち上がってくる。Nは高校時代に僕に開高健を吹き込んだ男で、とくに『ベトナム戦記』以降の戦記もの、その時期に数多く書かれた政治的な季節の中における紀行文、魚釣りから食、猥談に至る小話系エッセイまで、開高のあらゆるノンフィクションは彼に勧められるままに読んだ。最初に彼から借りた開高本は分厚い『叫びと囁き』だった。そして、開高にとってパリ、とくにカルチェ・ラタンは憧れの街であり、思い出の街でもある。 封筒から出てきた「紙切れ」を見て、思わずにんまりとしてしまった。ま
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