ダールグレン(1) (未来の文学) 作者:サミュエル・R・ディレイニー国書刊行会Amazonダールグレン(2) (未来の文学) 作者:サミュエル・R・ディレイニー国書刊行会Amazon 長ったらしくてみんな読んでないから、問題作とか話題作とか野心的なナントカとか言うだけで逃げるけれど、著者がいろいろ試してみたくて、こっちでは引っ越しリアリズム追求したり、あっちではコミューン生活記録を使い回ししたり、向こうではエロ追求してみたりしてあれこれ詰め込んで収拾がつかなくなった話。出た当初は長いのが売りで、SFスキャナーでは「背表紙に表紙の縮小版が入る!」なんてことが話題になったが、今ではそのくらいでだれも驚かない。 ディレーニの長編作品の多くは、かなり露骨に自分自身を主人公に据える。だから小説としての技巧や設定、ストーリー展開のおもしろさの一方で、ディレーニが己のナルシズムをどこまで抑えられるかが