インターネットが普及し始めたとき、人々はそれが「情報を民主化する」ことに大きな期待をかけた。しかし現在、人々はフェイクニュースに翻弄され、フィルターバブルとエコーチェンバーの中で偏った情報・意見に浸ったり、ヘイトスピーチを拡散したりしている。多様な価値観を持った人々が、事実に基づいて、互いを尊重しながら議論ができることが健全な民主主義社会の基盤である。しかし現在、インターネットはむしろその基盤を脅かしているようにも見える。フェイクニュースに代表される、インターネット上に流通する粗悪な情報の問題の要因は複雑である。その正確な理解と適切な対策のためにはインターネットメディアやプラットフォーム、そこを拡散する誤情報やそれを処理する人間の心の仕組みについて、多様なアプローチから研究すること、そしてその知見を共有し統合することが必要だろう。本シンポジウムでは、多様な分野の専門家を招いて、フェイクニュ