きょうだい(兄弟・姉妹)といつも比較されて育った。嫉妬や怒り、憧れをおぼえる。特別扱いされていると感じる。きょうだいのために我慢してきた……。少しでも当てはまると思ったあなたは、「きょうだいコンプレックス」を抱えているかもしれません! 精神科医、岡田尊司氏の『きょうだいコンプレックス』の一部を抜粋してご紹介します。 『ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』など、多くの傑作によって世界的な人気を誇る作家の村上春樹は、一人っ子として育った。 たとえば、若き日の村上自身が色濃く投影されていると思われる『ノルウェイの森』の主人公を特徴づけているのは、他者との心からのつながりを避けようとする傾向である。こうしたパーソナリティ上の特性は、精神医学では「回避性」と呼ばれる。 回避性は、他者と深く親密なつながりを避けるだけでなく、責任を負うことや傷つくことを避ける傾向としても現れる。これらは一見無関係のようで
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