数日前グラミーは、これまで「ベスト・ワールド・ミュージック」アルバムと呼んでいたカテゴリーを止めて、あらたに「ベスト・グローバル・ミュージック」アルバムと呼ぶことにすると発表した。理由は「ワールド・ミュージック」なるタームにリンクする植民地主義的な意味合いにある。グラミーによれば、「真にグローバルな考えを取り入れるための変更であり、世界中のアーティスト、民族音楽学者、言語学者たちとの協議のすえの結論である」とのこと。もともと「ワールド・ミュージック」なるタームは1987年に非西欧音楽を売るためにイギリスで考案されている。それはそれで非西欧の音楽を広めるのに役にたったのは事実だろう。グラミーも1992年からこのカテゴリーを設けていたが、その根底にはともすれば「西欧(主に英米)近代とそれ以外の世界(ワールド)」という発想があると認めたということだろうか。ちなみに『ガーディアン』は2019年から