経済対策の補助金などに使う国の基金が急増している問題で、主要な業務の大半を民間企業に委ねる基金事業が相次いでいることが分かった。公的機関だけで執行を担えないほど基金の規模が急拡大したためだ。補助金をどこに配るのかという政策的な判断が必要な業務も企業に委ねられ、中立性や公平性が問われる事業もある。 【写真】「みんなさっさと逃げていく」民間に実務を丸投げ、巨額基金の実態 一度の補正予算としては過去最大の8・9兆円を基金に投じた2022年度の第2次補正の事業について、朝日新聞がお金の流れを各省庁の資料から分析した。その結果、予算計上された基金50事業計8・9兆円のうち、民間企業に補助金を配る事務局を委ねているものは8事業計3・9兆円分あった。 基金の多くは、独立行政法人や公益社団法人など公的機関が運営を担っている。一方で、8事業では、一般社団法人などがいったん基金の設置を引き受けたうえで、補助金