食べ歩き評論家の下関マグロさんは、仲間の北尾トロさんとともに「町中華」のブームをつくった人だ。町中華探検隊副隊長としてCSテレ朝チャンネル「ぶらぶら町中華」にレギュラー出演している。 その下関さんが50年に及ぶナポリタン食べ歩きの成果を書いたのが、本書『ぶらナポ 究極のナポリタンを求めて』(駒草出版)だ。 ブームの「ロメスパ」とは? ナポリタンと聞くと、昔喫茶店で、他にたいしたメニューがないので仕方なく食べたような気がする。トマトケチャップの味と具材のウインナーはどこの店でも共通していて、あまり個性を感じたことはなかった。 だから、近年「ロメスパ」が秘かなブームになっていることを本書で知り、驚いた。「ロメスパ」の「ロメ」とは「路傍の麺」のことで、「スパ」はスパゲティのことだ。立ち食いそばのように気楽に入れるスパゲティ屋さんを指すそうだ。当然、ナポリタンも定番になっている。ロメスパには3か条