1994年といえば、インターネットが急拡大する前であり、初のWebブラウザ「Mosaic」が公開された直後のこと。計画自体は、世界的に見ても先進的だったといえるだろう。しかし、その後進んだのは霞が関WANや各省庁のLAN、住基ネットなど、いわばハード中心のインフラ整備だった。 能力のなさを露呈 2001年には「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」、いわゆるIT基本法が策定され、行政の情報化が重点分野に位置づけられた。2003年には行政手続オンライン化法が施行され、電子政府構築計画も閣議決定された。内容面では行政手続きのワンストップサービスや業務・システムの最適化計画など、ハードからソフトへ重心が移動。いよいよ世界に誇れる電子行政が実現されるかに思えた。 だが、いまだに成果は上がっていない。IT戦略本部のe-Japan(2001年)は、総務省単独のu-Japan(2006年)構想を挟んで