太陽光や風力発電は天候などで発電量にばらつきが出る。この問題を解消するのが、発電量が多いときに余った電力を貯蔵する蓄電池技術だ。大本命は、携帯電話から自動車まで幅広く使われるリチウムイオン電池。鉛蓄電池やナトリウム硫黄(NAS)電池よりエネルギー効率が高く、常温で機能する利便性がある。 自動車用はハイブリッド車などの普及で1キロワット時当たり3万~7万円まで価格が下がってきた。家庭用システムは同数十万円と高価だが、「今後、低価格化が加速する」(電力会社関係者)とみられている。 一方、電力の効率的な利用には、電力が不足している地域に流すことも必要となる。そのための技術が、電力の流れを双方向で調節する次世代送電網「スマートグリッド」だ。これにより、昼間は家庭の太陽光パネルから周辺地域に電気を送り、夜には同じ送電線で電力会社から電気を受け取ることなども可能となる。 電力中央研究所の田頭直人上席研