傷害罪などで懲役2年2月の実刑を言い渡された渡部栄治被告(43)=控訴=に対し、被害者の女性が約58万円の賠償を求めた「損害賠償命令制度」の申し立てで、東京地裁の藤井俊郎裁判長は約36万円の支払いを命じた。決定は26日付。女性の弁護士が27日、明らかにした。 刑事裁判の記録に基づいて賠償を申し立てる同制度で、賠償命令の決定が明らかになったのは初めて。命令に対し、被告が異議を申し立てた場合には、民事訴訟に移行する。 渡部被告は昨年11月、東京都世田谷区で占いをしていた女性を殴るなどして軽傷を負わせたとして今月17日、実刑判決を受けた。 判決言い渡し後、非公開で審尋が行われ、女性が治療費や慰謝料などとして賠償を請求。渡部被告は「支払い能力がない」と争っていた。 被告は初公判で暴言をはき、脅迫などの容疑でも逮捕された。 【関連記事】 ・ 損害賠償命令制度で東京地裁初公判 手続き迅速