日本的雇用慣行は崩れたか? 2010年10月29日 日本銀行調査統計局 全文 [PDF 925KB] 要旨 本稿では、正社員の企業間移動、およびその背後にある右上がりの賃金カーブを含めた日本的雇用慣行・雇用システムについて、現状・歴史的経緯の把握とその背景分析を行った。 まず、ファクト・ファインディングの結果、日本の正社員における長期雇用や右上がりの賃金カーブといった特徴については、近年その傾向が幾分弱まってはいるものの、諸外国と比べれば依然として顕著であることが確認された。その意味で、日本的雇用慣行は大枠として今も存続していると言える。 日本の正社員に特徴的である右上がりの賃金カーブは、年功賃金や企業特殊的な人的資本形成によって、一定の条件の下で、理論面からもその合理性を説明できる。こうした右上がりの賃金カーブ、長期雇用、企業特殊的な人的資本形成は、相互に関連、依存し合って成立していると
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