科学技術振興機構(JST)とNECは,オフィスなど商用の光通信ネットワーク環境で稼動する量子暗号生成システムを開発した。 量子暗号は,計算機などの技術が進歩しても解読が不可能であることを保証する暗号方式。ただし従来は,計算機資源に制約がないこと,単一光子を発生する光源を使用するといった条件を前提としており,実際に稼動している商用の通信装置には適用できなかった。 今回,こうした条件が整わない場合でも,盗聴者に漏洩する情報量を推定できる理論を構築し,安全性を保証するソフトウェアを作成した。また,盗聴者が正しい暗号鍵を推定する確率を減らすために行う秘密増幅という操作に必要なパラメータを,伝送データから自動的に抽出する方法を開発した。パラメータを精度よく推定するため,パルスごとに4通りの光強度をランダムに変化させて安定して送信する量子暗号装置(62.5MHz)をNECが開発した。 これらの技術を使