NHK第2の「ラジオアーカイブス」は先週と今週はわたしの好きな原田康子さんで、興味深く聴いたのだが。 たとへばの例を挙げ吉行淳之介が語る有吉佐和子と原田康子との二人の資質の違いは面白くてね、なるほどなあと思いました。 「原田さんと有吉さんが宝石の山に迷い込んだとする。有吉さんはダイヤモンドでも水晶でも或いは石ころでもなんでも構わずポケットに詰め込んで帰ってくるような気がする。 有吉さんの筆力は逞しくあるいは逞しすぎて目をつむりたいような粗雑な表現に出くわすことがあるが、これは彼女のポケットから石ころが出てきた場合で、一方原田さんは自分の一番気に入った宝石を一つだけ拾って戻ってくるような気がする。 どちらの態度が良いかなど判断できることではない。ただ今の世の中では有吉さんは流行作家になれる素養が十分である。 どんなに多作をしても商品として通用するものができるし、多作をすることで返って豊かにな