7月中旬、北海道・道東地方は連日、重い雲が立ち込め、曇り空の日々が続いていた。日中でも気温は15度前後と肌寒く、それほど多くない観光客の表情も冴えない。 そんな陰鬱な状況に大きな光が差し込んだ。7月25日、環境省が外国人観光客の誘致強化に向けて国立公園をブランド化する事業の候補地8カ所を選定した。そのなかに阿寒が含まれたのである。 翌日の全国紙はベタ記事扱いだったが、地元の釧路新聞は一面トップだった。記事は「地元関係者からは、(中略)観光振興の追い風になるとの大きな期待が寄せられている」と地元の熱い思いを伝えていた。 「国立公園満喫プロジェクト」は、東京五輪が開催される2020年までに、さらなる外国人観光客誘致のために外国人向けガイドツアーの開発や宿泊施設の充実、海外への情報発信の強化に取り組むもので、阿寒、阿蘇くじゅう、日光など8カ所をブランド観光地として世界にPRしていく。 観光客の減