音声遺産の保存と継承のために-全米録音資料保存計画の概要 2013年2月,米国議会図書館(LC)は全米に存在する録音資料の保存計画“The Library of Congress National Recording Preservation Plan(全米録音資料保存計画)”を発表した。 現在,全米の図書館,アーカイブ,公共機関等には,約4,600万点の録音資料が存在し,その多くは適切な保存が必要である。これらの録音資料について,米国連邦議会は米国の貴重な録音資料を保存する目的で,全米録音資料登録簿や全米録音資料保存委員会の設立などを規定した全米録音資料保存法を2000年に制定し,録音資料の保存に関するさまざまな取り組みを行ってきた(E053参照)。 本計画は,これまでの取り組みの集積であり,初の全米規模の体系的保存計画である。本計画では「保存のためのインフラ」,「保存戦略を実行するため